《コラム》22 「文化祭」

投稿日:2015.11.27

 体育館のステージにスポットライトがあたり、おひねりが飛ぶ。地域(豊岡市奈佐地区)の文化祭で盛り上がる。各地区から趣向を凝らした謡や踊り、劇や演奏などバラエティーに富んだ出し物が披露され、素晴らしい演奏に思わず引き込まれてしまうものもある。また、手の込んだ衣装をまとった花魁道中には感心させられた。普段の姿では見られない芸達者な一面を見て、隠れた才能に驚かされてしまう。今日の発表の日までには相当な稽古と準備に費やされたであろう事が理解できる。
 小学校の体育館を利用して行われることもあり、小学生の発表も盛り込まれている。
 この地区には「奈佐節」という伝統芸能があり、奈佐節クラブを結成し、子供たちを指導している。子供たちが太鼓、三味線を演奏し、菅笠をかぶり着物を着て踊る姿を見ていると感動してしまう。バレーボールや野球といったクラブ活動が忙しい中でも、伝統芸能に親しみを持ち、しっかりとした発表が出来る姿を見ると、指導者の方の熱い思いというものが感じられる。近年は市民芸能祭にも招かれ、多くの人たちの感動をよんでいる。
 公民館主催の文化祭であるので、公民館内には、ごてんまり・俳句・折り紙・書道・生け花等の展示があり、趣味の領域を超えた作品にも出会えたり、屋外の様々なバザーから漂う匂いに引付られたりもする。
 一年に一度のイベントであるが、地区にとってはなかなかの負担であり、芸能発表会はやめにしようという意見もある。しかし、一つの目標に向かって皆がまとまることに意義があるとして、なんとか毎年行われ、三十六回目を迎えることができた。
 今年の文化祭も最後は、景品付き餅まきを行い、大いに盛り上がって幕がおりた。

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※奈佐節…鎌倉時代、大水害に遭った奈佐地区を慰問に訪れた法如上人(一向宗第十七代京都西本願寺住職)を歓迎するため、歌い踊ったのがはじまりといわれています。

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