秋高し　口上響く　芝居小屋

令和６年　第１４回永楽館歌舞伎

兵庫県豊岡市出石町に近畿地方最古の「永楽館」という芝居小屋があります。

出石永楽館は、明治３４年に開館し、歌舞伎をはじめ新派劇や寄席などが上演され

但馬の大衆文化の中心として大変栄えましたが、テレビなどの普及で昭和３９年に閉館しました。

しかし往時の永楽館を懐かしんで何とか復元したいという地元の人たちの気持ちがあり

「出石城下町を活かす会」という会が中心となって永楽館を復元させて歌舞伎役者の幟をあげよう

という合言葉の元、約２０年の復元に向けた活動により、平成２０年に大改修されて４４年の

時を経て永楽館は蘇りました。

そして平成２０年、片岡愛之助さんを座頭とする　大歌舞伎の杮落しとなりました。

念願であった役者の幟旗が上がったのです。それ以来毎年愛之助さんの歌舞伎が上演されています。

私も「出石城下町を活かす会」の会員としてこの状況をつぶさに見てきましたが

但馬の小さな町で本物の歌舞伎が観賞できることが本当に夢のようでした。

ここにしか無いものを活かす。失われゆくものに目を向けて大切にしていきます。