焼き杉板
投稿日:2025.04.03
外壁に貼る焼き杉板を実際に焼いてつくりました。弊社が建築する住宅によく使う素焼きの杉板です。今ではこの杉板は建材メーカーに注文して調達しますが、以前は建築を請け負った大工が必要数量の杉板を自分で焼いて製造していました。近くの山の木を伐採して製材所に運んで板をつくり乾燥させてから川原で焼いてつくっていました。写真の人物は実際に焼き板をつくって家を建ててきた現役の大工さんです。焼き板を製造するのに人工的なエネルギーは必要ありません。空き缶に木の鉋屑と端材をいれて火をつけて、3枚の板を三角に合わせて火の上に乗せれば煙突状態になって勢いよく炎が上がって板の表面がきれいに焦げるのである。長い板でも焦げる厚みは一定で見事に表面に炭化層が出来上がる。工場で特別な装置を作ったり、燃料を使ったりする必要は一切必要なくてどこでもつくる事が出来ます。 山陰海岸に面したこの地域は冬の季節風にさらされて家が塩水を被ることもあります。表面を焼いた杉板は耐久性が高く、50年前に建てられた家に貼ってある杉板も一度も修理することなく今でも現役です。自然素材なので紫外線で劣化することもなく、そして永遠に供給できる素材です。近くの山から切り出した材木をつかい、耐久力のある板に自分達で加工して家をつくる。先人たちは自然を享受し、その恩恵を汚す事のないようにする知恵がありました。何時までも使える技を大切にしたいです。