現在進行中の家

現代の暮らしでは、土にふれる機会もほぼなくなり、お金を払ってできたものを購入する事が多い時代になってしまいました。豊かな生態系を維持している森の循環は、絶妙なバランスで成り立っており一度壊れると簡単に直らなくなってしまいます。私たちの生活する住宅の木材も、土から生まれ、加工し、家を支える構造材となっています。暮らしが豊かになり、ボタン一つで何でもできるようになりましたが、人の暮らしの原点は土から始まっており、土にふれる作業や活動が終わると心地よい疲れと、清々しい気分になると思います。
居室と庭の距離を近くに感じ、家での時間を楽しむ理想の家。

時が経つにつれ、家族構成も変わっていき一つ屋根の下で生活する人数も変わります。
子供が成長するスピードは早く、高校や大学で家を出て行く事も考えなくてはいけません。
家は一生に一度あるかないかの大きな事業であるため、50年スパンくらいで何が重要なのか考えなくてはいけません。夫婦二人で暮らす時間のほうが圧倒的に永く、自分達がどういう生活をしたいのか、それに尽きると思います。時代に流される事なく、子供が巣立っても快適に暮らせる家であるべきです。
地域の外部環境を考慮し、雨や雪の日でもストレスなく四季を楽しむ事ができてこそ毎日の暮らしを楽しむ事ができます。
いつの時代でも色褪せる事のない理想の木の家

住宅に求められる事は、何気ない日常を楽しいと思える事、そこだと考えます。大人から子供まで、好きな事は人それぞれ違いますが、みんなで楽しめる場所、プライベートな場所など、それぞれ必要です。
土地の持つ魅力を最大限活かすのは当然の事であり、家の中のあちこちに
プライベートな居場所をちりばめる事で、家族みんなが自分の好きな事を
好きな場所で、好きな時に没頭できます。休日は友人を招いてパーティールームで楽しむ時間は、かげがえのない時を過ごす事ができます。
プライバシーをしっかり確保しつつ、友人や同僚などと気軽に集まれる場所があり家が一番落ち着くと思える、
そんな理想の家。

大正時代の建物と、令和の生活スタイルは異なるため、現代の暮らしに合った形に改修するのは、当然の事です。
ただ、先祖代々守られてきた建物でもあり、奇抜なデザインへと変えるのは、間違っています。
平日は仕事で家を留守にしますが、休日は家で趣味の音楽を楽しみながら、マイホームでの暮らしを楽しみます。
築100年ほどの家でも、令和の暮らしに合った形に再生できるのは、木造の醍醐味です。古民家ベースでも、現代に合った形の住宅に再生する理想の家。